弁護士は、本来、「得意分野」云々より、弁護士としての基本的能力と、事件処理の姿勢（紛争解決に対する姿勢、戦う姿勢）や信条で選択されるべきものと考えている。
「得意分野」については、これまでの仕事の結果としてならよいが、姿勢の問題であれば、むしろ非得意分野を作ることの方が問題である（仕事を事務仕事化していることの表れである）。前記のように、弁護士は自らの姿勢を好き嫌いや仕事の難易で限定せず、未経験分野には積極的に勉強して臨む姿勢が大切である。

それに対し、「正義感」等のものの見方や紛争解決の姿勢が依頼者と合わないと、依頼関係に信頼が生まれず、お互いが不幸である。弁護士の基本的能力を前提問題とすれば、その弁護士が通じた紛争解決の姿勢や手法のノウハウこそ、その個性的能力である。

依頼者は、良い医者を探すのと同じように、「自分に合った弁護士」を探していると思う。

私は、性格的に不正義（不公正なやり方）や事務的な処理を嫌い、正攻法を好み、中身本位で丁寧な事件処理を心掛けてきた（それが正統派の弁護士だと思っている）。分析力を必要とする訴訟型の係争が似合っていると、自分では思う。

職歴は35年で、「ベテラン」の部類に属する。世代は団塊世代であるが、リタイヤは暫く先延ばしして、今少し同世代や諸先輩のニーズに応えていきたいと思っている。